アダルト小説のトレンドはタナボタ系らしい

世の中不況とはいえ昔に比べると社会全体が底上げされていて、飢えて死んじゃう人とかいない社会なので、
アダルト小説も会社が倒産してやくざに売られたり、無理やり陵辱されて脅されたりなんて、もはやそういう
シチュエーションが成立しない。


なので、たまたまエッチな力を得ちゃうとか、フツウのメンズが突然、幸福なシチュエーションになってエロ
エロ三昧になっちゃうようなタナボタ系っていうのが流行らしい。


まあ、こっちも現実にはありえないけど、むしろそういう設定は漫画っぽいシチュエーションなんだろうね。


ということで、何冊か物色しているけど、最初に読んだ(タナボタ系の小説)はコレ。
睦月影郎さんのふしだら人形。


主人公がサッキュバス(淫魔)の宿った人形を復活させてしまってエロエロみたいな単純な話で、シンプルな
構成で展開もワンパターンなんだけど、その分さっぱりしているアダルト小説みたいな。 w


複雑な設定とか、社会に対する鬱屈した感情とかそういうものが全くない、純粋にエロを楽しむ小説みたいな
感じで、こういうのが時代の流れなのか。アダルト小説の赤川次郎とか、アダルト小説の炭酸飲料みたいな、
まあ、だから、世の中に不満のない純粋にライトエロを楽しむような社会なんだね。


底が浅い感じがするけど、社会生活もそういう風になり勝ちなので、時代を反映していると言えなくもない。

味気なさを感じつつ、これも時代の流れなのかと、さびしい気分を味わうのも、また、をかしとか。。。w

1作読んだだけで、ロマンとか夢とか猛々しいくらいの妄想とか、あるいはオンナの情念とか、ドキドキする
気持ちとかそういう濃い味のものを味わいたいみたいな気にもなるけど。。。

アダルト小説界も成熟してしまって、新味に欠けているせいもあるかもしれない。


あれやこれやいろいろ考えさせてくれて、そういう意味ではよかったかなと。 w

まあ、そんな感じ。


ふしだら人形 (双葉文庫)

ふしだら人形 (双葉文庫)